腹黒執事の極秘任務
「……お兄ちゃん、もしかして、行った先で彼女でも出来た?」

「え? なんで?
出来てないけど」

さっきの怒っていた時とは打って変わって、もじもじと尋ねてくるまりん。

「だって、だってね?
夏休みって長いんだよ?

確かに新生活は忙しいかも知れないよ?
でも、里帰りする時間くらいあるはずじゃん?

それでも帰って来ないってことは、離れたくない人が出来た、とか……!」

……。
知らないとそうなるのか。
俺、毎日いっぱいいっぱいで本当に忙しかったんだけど。

彼女が出来ないどころか、仕えるはずのお嬢様にも会えてないし。

最近なんて宿題にも追われて本当に大変で……って、まりんに言ってもな。

頭を抱える。
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