腹黒執事の極秘任務
高校生活初日、ドキドキしている凛を励ましながら教室に入った。

また中学の頃のように嫌味を言う人がいないか、とか、いじめられないか、とか、馴染めるか、とか色々考えてしまっているらしく、なかなか歩が進まない上に、下を向いている。

「凛ちゃん!」

「……! 花歩ちゃん!」

声に顔を上げた凛は嬉しそうに笑った。

凛がおそるおそる入った教室には、凛の唯一だという親友がいた。
以前名前を聞いた事がある、佐藤花歩さんだ。

親友を前に、凛の緊張が少しほぐれたのがわかった。
俺とのことを知っているらしい彼女と俺は「これからよろしく」と握手を交わす。
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