腹黒執事の極秘任務
バカバカしい。
もう付き合っていられない。

「……そろそろチャイムが鳴るので、失礼します」

「ちょっ、森下君……!」

あの女子の感じ、苦手だ。
まりんがまとってる空気に似てる。
うん、苦手。

俺は教室に戻って、自分の席でため息を吐いた。

「どうしたの? 体育疲れた? 森下君」

「いえ、大丈夫ですよ。上間さん」

友達のふりで、苗字で呼び合っている凛が話しかけて来た。

ああ、癒されるなぁ。
きょとんとこちらを見つめるつぶらな瞳にくらくらしそうだ。

今すぐ抱きしめたい。
凛って呼びたい。
翔護って呼ばれたい。
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