彼の嘘 彼の本音
「あたしがいたのは生活安全課、っていってね。あたしが担当してたのは、主に少年事件なんだけど。

まぁ、他には相談事だとか、…ストーカーだとか、
…虐待、とかね。」

「…。」


きっと、気付いてる。

あたしがマスクしていることに、藤真君はなにも言わなかったし、 

ご飯中も彼の左側にいて、髪で顔を隠していたつもりだから気づかれてなかったと思う。

でも、さすがにお風呂上がりにマスクするのもどうかと思って、借りたタオルで髪を押さえるふりをして下ばかり見ていた。


でも、さすがに藤真君のお母さん。

元警察官というより、母親として見抜かれていたんだろう。




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