彼の嘘 彼の本音
「藤真君。」
「ん?」
「いいよ、その事はもう。ごめんね、変な話聞かせて。あ、えと、それでね、」
ぐっと、力を入れて藤真君から離れる。
でもまだ近い、彼の表情はなぜか拗ねたように見える。
「…んだよ。」
「え?」
「なんだよ、変な話って。」
「…っ、」
「変な話なんか聞いてない。
俺は、夢の話を聞いたんだ。」
「…、あ、…うん。」
「夢が中学の時、陸上部のエースだったって話を聞いた。」
「…エースだなんて、」
「中3の、ずっと目指してた西日本大会に出れなかったって。
事故で、もう2度と走れなくなったって。」
「…っ、」
「ん?」
「いいよ、その事はもう。ごめんね、変な話聞かせて。あ、えと、それでね、」
ぐっと、力を入れて藤真君から離れる。
でもまだ近い、彼の表情はなぜか拗ねたように見える。
「…んだよ。」
「え?」
「なんだよ、変な話って。」
「…っ、」
「変な話なんか聞いてない。
俺は、夢の話を聞いたんだ。」
「…、あ、…うん。」
「夢が中学の時、陸上部のエースだったって話を聞いた。」
「…エースだなんて、」
「中3の、ずっと目指してた西日本大会に出れなかったって。
事故で、もう2度と走れなくなったって。」
「…っ、」