彼の嘘 彼の本音
藤真君に、話すなんて、…考えもしなかった。


「足が悪いのを聞いてたら、…もう少し、夢のペースで歩いてた。」

「…、も、いいから。」

「オヤジさんが殴ってくる人だって聞いてたら、夢一人で家に帰さなかった。」

「藤真君、」

「前みたいに、うちに泊まればよかったんだ。」

「…、」

「アイツらに、夢が襲われそうだって電話貰えてたら、俺が行って、助けたのに。
あんなやつら、二度と使いもんにならないくらい殴ってやったのに。」

「いいよ。…もう、」

「よくねーよ!アイツら絶対許さねー。」

「…ね、藤真君。今、何時だろ、出て行くなら早い方がいいし、」

「なんで?なんで夢は俺になんも言わないんだよ。」





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