彼の嘘 彼の本音
「でも、違った。」

「え?」

「好きだったと、思ってたけど、違った。」

「…違った?」

「ん。」


じっと、あたしと目を合わせて話していた藤真君が、
ふいに視線をそらして、言いにくそうに話す。


「夢が足が悪いって気付かなかったから、今はすっげぇ後悔してるけど、」

「…なに?」

「夢が、俺の後、ちょこちょこついてくるのがさ、その、…可愛かった。」

「…へ?」

「なんかこう、…ヒヨコ?みたいで、」

「ヒヨコって、…ひどい。」


可愛い、なんて言われて舞い上がったのに、まさかの小動物扱い。
< 191 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop