彼の嘘 彼の本音
「噂?」

「ん。知らねーの?」

「…玲奈ちゃんのじゃなく?」

「夢が可愛いって。」

「えぇ?!嘘だ。」


ないよ、ないない。あたしが可愛いとか、ない。

あ、あれだ。言われるとすれば、藤真君みたいに、“小動物に見える”、可愛いだ、きっと。

背の高い玲奈ちゃんといれば、多分実際より小さく見えるだろうし。


「…夢?なんか勘違いしてない?」

「ん?全然。」


藤真君を見れば、少し呆れた顔をしてるけど、理由はわからないから、ほおっておくことにした。


「…まぁ、で、夢に声かけて、…その時は正直、なんとも思ってなかった。」

「…そ、か。」

「…ごめん。」


藤真君が頭を下げるけど、あたしにとっては、

ああ、やっぱり。って、思った。

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