彼の嘘 彼の本音
事件を知ってる先生たちの配慮もあって、期末テストは保健室で受けさせて貰えた。


あたしの顔に出来た痣は消えてないままだったけど、

担任が事故ということにして皆に伝えておいてくれたおかげか、

テスト後に久しぶりに教室に入ったあたしを心配してくれる皆に、変な視線を感じることはなかった。


いや、あった。

でも、それはあたしの事件のせいじゃなくて、


「夢?歩くの速い?」

「えっ?あ、ううん。大丈夫。」

「そ?辛かったら言って。」

「ん。ありがとう。」

「…ダメ。」

「え、」

「2人の時ならいいけど、あんま笑わないで。」

「あ、え?」

「可愛いー顔、皆に見せないで。」



事件後の初登校以来、ずっとこんな調子の藤真君にあたしを含め皆、驚きを隠せない。




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