彼の嘘 彼の本音
怜奈ちゃんをマンションの下まで送って、


そのままあたしは藤真君を待つ。


寒いから、中で待ってればいいんだけど、


緊張で不審な動きを防犯カメラに捉えられそうで、怪しい人と間違えられそうだし、表で待つことにした。


それから大体15分くらいして藤真君が現れた。


「…。」

「…おはよ。あ、違う、もうお昼だね。こんにちはだ。」

「……待った?」

「!ううん。あの、誘ってくれて、ありがとう。」

「…ん。行こう。」


…なんだか、今日は会話が出来てる。


いつもと違う二人の雰囲気に嬉しくなる。


「あ、どこに行く?」

「あー、言ってなかったっけ。水族館。」

「水族館?」

「そ。行こう。」

「う、うん。」


急かされるまま、彼の後を追った。


< 24 / 232 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop