彼の嘘 彼の本音
彼と話したい人はたくさんいるはず。


あたしだって話したい人の内の一人だし。


だから、今の、紗也さんと会話する彼を、学校の皆が見たらどう思うのかな、と思った。


あたしみたいに、


紗也さんに嫉妬しちゃうのかな、って思った。





「俺と夢は中学の時の先輩後輩だよ。
夢が引っ越した後、おんなじ街で俺が大学入って一人暮らしし出して、…偶然再会した。な。」

「うん。」


大樹先輩が話して、あたしは隣で頷いた。


丸テーブルを囲むように座ったあたし達。


あたしの両隣には、藤真君と大樹先輩、向かいに紗也さんが座った。


「で、紗也ちゃんと俺はバイト先が一緒なんだ。」

「そうなんだ。」


どうやら藤真君はその事を知ってるみたいで、


静かに話を聞いていた。





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