彼の嘘 彼の本音
「そういやさっきさ、藤真呼んでたろ?
なに?藤真とも知り合いなの?」


男の子の一人が言った。


「あ、だよな。
え?なになに?もしかして、藤真の方と付き合ってたりしてー?」

「えっ!マジで?」


…あ、なんか嫌な予感。


「どーなの?藤真ー。」


そう言って、藤真君に絡む男の子達。


「おいっ、悪ノリすんなよ。」


樹君がたしなめている。


すると、


「…んなわけねーし。」


一言。


藤真君が言って、


「だよなー。」

「藤真と夢ちゃんって、なんか違和感あるしー。
藤真には怜奈ちゃんタイプだよなー。」

「あれ?てか、藤真好きなやついんじゃなかったっけ?」

「そうだ!年上お姉さまー。どうなった?」


「お前ら、やめとけって。」


あたしと藤真君の関係が否定されれば、


あたしに用はないとばかりに男の子達だけで盛り上がっていく。


樹君があたしを気にしてか、焦ってとめようとしてくれる。


「樹君。」

「夢ちゃん、あの、なんか、」

「あたし、行くね。」


なるべく気を使わせないように、笑ってその場を後にする。






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