彼の嘘 彼の本音

言えない事

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「ごめんなさい。」


2人きりの車内で、あたしは声を震わせながら謝った。


運転している父親からの返事はない。


また面倒事を起こして、そう、きっと怒ってる。




昨日、結局、銀行の花壇から立ち上がれなかったあたしに、親切なおばさんが声をかけてくれて救急車を呼んでくれた。


ほんとは、タクシーを頼んだんだけれど、


集まって来た大人達が、


冷えきったあたしを心配して呼んでくれたんだった。



でも、それがあたしにとっては、最悪な事だった。


父親に連絡がいくからだ。


病院について真っ先に、父親に連絡しないでと頼んだけれど、


家出少女かなにかと思われたのか、


念のため、1日入院して、


帰る時には父親がいた。




ああ、なんて最悪。


嫌な事って、なんでこうも重なるんだろう…。
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