彼の嘘 彼の本音
「夢ちゃん。」
「ん?」
「あの、…俺。夢ちゃんに謝りたくて。」
樹くんとすれ違う瞬間、引き止められる。
「謝る?なにを?」
「…こないだの、…学校で声かけたこと。」
…ああ。
そんな事気にしてくれてたんだ。
「ごめん。なんかつい嬉しくって。
藤真にも後で言われたよ、余計な事言うなって。」
…嬉しい?なにが?
余計な事、…そっか。だよね。
偽物の彼女なんだから、後で否定するのも面倒だろうし。
「…ほんと、ごめん。」
「あ、ううん。
大丈夫。わざわざありがとう。」
「…うん。」
じっとあたしを見る。
「ん?」
「あ、いや。あの、大丈夫?」
「え?」
「なんか、この辺って変な男もいっぱいいるし。」
「ん?」
「あー、だから、…夢ちゃんナンパされたりしないかなって。」
…え?
「…ははっ。ないよ。」
「え?」
「ないない。」
「ないの?」
「ん。」
「ナンパされたこと?」
「うん、ない。」
「…。(嘘だろ。気づいてないだけじゃね?)」
なんか、自分で言ってて悲しくなるな、これ。
いや、いいんだけど、
「あの、じゃ、」
「あー、ごめん。」
「ん?」
樹くん、なんかずっと謝ってない?
「ん?」
「あの、…俺。夢ちゃんに謝りたくて。」
樹くんとすれ違う瞬間、引き止められる。
「謝る?なにを?」
「…こないだの、…学校で声かけたこと。」
…ああ。
そんな事気にしてくれてたんだ。
「ごめん。なんかつい嬉しくって。
藤真にも後で言われたよ、余計な事言うなって。」
…嬉しい?なにが?
余計な事、…そっか。だよね。
偽物の彼女なんだから、後で否定するのも面倒だろうし。
「…ほんと、ごめん。」
「あ、ううん。
大丈夫。わざわざありがとう。」
「…うん。」
じっとあたしを見る。
「ん?」
「あ、いや。あの、大丈夫?」
「え?」
「なんか、この辺って変な男もいっぱいいるし。」
「ん?」
「あー、だから、…夢ちゃんナンパされたりしないかなって。」
…え?
「…ははっ。ないよ。」
「え?」
「ないない。」
「ないの?」
「ん。」
「ナンパされたこと?」
「うん、ない。」
「…。(嘘だろ。気づいてないだけじゃね?)」
なんか、自分で言ってて悲しくなるな、これ。
いや、いいんだけど、
「あの、じゃ、」
「あー、ごめん。」
「ん?」
樹くん、なんかずっと謝ってない?