彼の嘘 彼の本音
「夢ちゃん見かけて、なんかフラフラしてるから心配になって、で、」

「…で?」

「連絡しちゃったんだよね。」

「誰に?」

「藤真に。」

「…えぇ!?」


え、なに?なんで藤真君?

いや、まぁ、彼氏だって事だしね。でも、だからって、連絡なんて、

連絡なんて………、

いや、いっか。


どうせ、藤真君には関係ないし。

ここへくるわけないだろうし。


「夢ちゃん?」

「……うん。ありがとう。優しいね、樹君。」

「いや…、一緒に待ってようか?」

「……いや、いいよ。」

「え、」

「来ないよ、藤真君は。」

「…そんなわけないじゃん、彼女なのに。」

「……うん。だね。」


心配そうにみる樹君に、曖昧に笑って、


「じゃあ、行くね。」


そう言ったのに、


「藤真、心配してたよ。」

「ん?」

「すぐ来るよ、きっと。

夢ちゃんいないと困るじゃん、俺。」

「…。」

「夢ちゃん?」

「…帰ったから大丈夫って、言っといてくれる?」

「……いや、無理。」

「…、」

「だって、」

「こんなとこで、何してんの?」

「…え?」
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