彼の嘘 彼の本音
見れば、じんわり額に汗が浮かぶ。


…走って探してくれたの?

あたしを?


「藤真君。」

「ん?」

「今、…あたしの事、“夢”って。」

「…っ、」

「夢って、」

「……、夢、だろ?」

「…、」

「夢。」

「…っ、」

「…夢。」

「…あの、…っ、はい。」

「ん。」


ヤバい。

泣きそう。


嬉しくて、幸せで、泣きそうだ。
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