彼の嘘 彼の本音
藤真君と別れて、もうすっかり暗くなった外を歩く。


明るいネオンが灯る店。


今日は、ここにしよう。


さっき別れた場所から一番近いネカフェに決めた。


入口に進んで、自動ドアをくぐろうとしたその時、


「約束あるんじゃなかった?」

「…あ、」

「こんなとこで、誰と約束?」

「…、」

「もう外真っ暗なんだけど。
帰りどうする気?」

「……あの、用ができたんじゃ、」


藤真君が立っていた。
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