跪いて愛を誓え


「――――えんゆうかい?」


 営業前のミーティングの時だった。いつもの通りだと、湯田さんが連絡事項や注意事項を話したりして終わる。だけど今日はその後に、イベントの打ち合わせもあった。

 ティアーモは二ヵ月に一回、イベントを開催している。それは季節系のものだったり、コスプレとかだったり。イチゴが好きな人限定シャンパンイベントとか変なものまで、いろいろみんなで考えたりしてるみたい。

 今月は私が働き始めて、初めてのイベントがあるんだけど、その提案を湯田さんがしてきたのだ。


「実は先日、ジャスティスさんから合同イベントの打診があったんです。彼らの会社で持っている郊外の保養施設で、お客様を招いて園遊会を開催するのはどうか、と」


 ジャスティス……この前お客様の園子さんが、酷い目にあった駅向こうのホストクラブだ。私もちょっと危ない所だった。

 とにかく、あまり良い印象は無い。向こうにしてみても同じだろう。そのジャスティスが、どうしてうちと……?


「先日少しトラブルがありましたよね。それで、お店も近い事ですのでお互いに交流を持ってみるのはどうか、というのが向こうの考えみたいです」

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