跪いて愛を誓え
「あれ? お前、何だか熱いな……」
青葉は手をそのまま私のおでこに当てた。ちょっとヒヤッとして気持ちいい……
「なっ! すげー熱出てるぞ!」
ああ、そうか……身体が震えてたのは、恐怖からだけじゃなかったんだ。確かにヒロに襲われて、正体もバレちゃって、怖かったけど。
背中がゾクゾクしてるのにふわふわしてて、どうもおかしいと思ってたんだよね……
「――――おい、和泉! しっかりしろ!!」
青葉の焦った声。貸してくれた羽織から、ふわりと彼の匂い。
私が覚えているのは、そこまでだった。
……熱い……いや、寒い。
青葉の羽織にギュッと包まっているのに、何だか熱くて寒い。私、どうしちゃったんだろう……
意識が朦朧(もうろう)と、夢と現実を行ったり来たりしている間に、何度か誰かに抱えられて移動したのは分かった。青葉や湯田さんの声も聞こえていたけど、何を話しているのかは分からなかった。
そして車か何かに乗せられて。白い背景と消毒の匂い。腕に感じたチクリとした痛み。全ては断片的で、一体どのくらいの時間が過ぎているのだろうか。