跪いて愛を誓え
08* 終わりは突然に
まるで砂漠に放り出されたみたいだった。長時間炎天下に晒されたような、強烈な喉の渇き。身体中が汗ばんで、気持ち悪くて。声を出そうとするが、喉が貼り付き上手く言葉が出ない。
必死で手を伸ばしたら、その手を誰かが握った。
「――――和泉?」
名前を呼ばれてハッとして目を開けるとそこには、私の手を握ったお母さんの顔が見えた。
「あれ……? お母、さ……ん?」
どうしてお母さんがいるんだろう?
……でも、よく見るとそこは、私の部屋だった。ティアーモのあのおばあちゃんの部屋じゃなくて、実家の自分の部屋の、自分のベッドの上だった。
頭が混乱する。
私、ジャスティスとの園遊会にいたはずだったのに。でも熱を出して倒れて……
それからどうなったんだっけ……?