跪いて愛を誓え


「――――和泉、大丈夫? あなた、二日も寝てたのよ」


 どうやら私の知らないうちに、二日も過ぎてしまっていたらしい。お母さんは起き上がった私に水を渡しながら話してくれた。


「あなたのお店の店長さんと従業員の方が、連れてきてくれてね……」


 ジャスティスの園遊会で倒れた私は、湯田さんと青葉に病院へ運ばれたそうだ。そこで処置をされ、熱が下がれば問題ないとの事で帰された。

 だけど私はおばあちゃんの部屋で一人暮らしだったので、一人にはしておけないと実家へ運ばれたそうだ。


「店長さんと一緒に来た従業員の人、すっごいカッコいい人だったわ! お母さんちょっとトキメイちゃった!」


 青葉の事だ。そのトキメイちゃった人がNo.1ホストだと知ったら、お母さん驚くだろうな。

 いつの間にか男装の為に付けていたウィッグは外されていた。きっと青葉か湯田さんが外してくれたんだ。

 どうやら湯田さんも青葉も、自分たちがホストクラブの人間だとは言わなかったみたいだ。お母さんの様子を見て、上手く誤魔化してくれたんだろう。


 でも園遊会はあの後、どうなったんだろう。ヒロは……

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