跪いて愛を誓え
その人は、私が今までに会ってきたお客様とは全く違った。
私が接客した事があるお客様は若い人が多かったけど、そのお客様は年配の人。そういう人も来店するとは聞いていたが、実際に見たのは初めてだった。
でも私が『違う』と感じたのは、それだけじゃない。
見た目、年齢は五十代か六十代ぐらい。黒いロングワンピースに肩までの黒い髪。アクセサリーはダイヤか何かのネックレスとピアスだけ。パッと見、何処かのセレブマダムだけど。
彼女の醸し出している雰囲気が、一般の人とは全く違う。妙に落ち着いていて、周りの人を圧倒しそうな、そんな空気をまとっていた。
「……こんばんは、ご指名ありがとうございます。ヘルプで入らせて頂きます、スイです」
そう挨拶をして頭を下げ、ソファでは無くてヘルプ用の丸椅子に座ろうとした。でもマダムはにこりと笑いながら、私を自分の隣に手招き。仕方が無いので、青葉が座っている逆側の、マダムの隣に座った。
「――――そう、貴方がスイなのね」
座るやいなや、マダムは満面の笑みでそう言った。
不思議だった。だって、私はこの人に初めて会ったのに。まるでずっと前から私を知っているみたいな感じだ。
私が接客した事があるお客様は若い人が多かったけど、そのお客様は年配の人。そういう人も来店するとは聞いていたが、実際に見たのは初めてだった。
でも私が『違う』と感じたのは、それだけじゃない。
見た目、年齢は五十代か六十代ぐらい。黒いロングワンピースに肩までの黒い髪。アクセサリーはダイヤか何かのネックレスとピアスだけ。パッと見、何処かのセレブマダムだけど。
彼女の醸し出している雰囲気が、一般の人とは全く違う。妙に落ち着いていて、周りの人を圧倒しそうな、そんな空気をまとっていた。
「……こんばんは、ご指名ありがとうございます。ヘルプで入らせて頂きます、スイです」
そう挨拶をして頭を下げ、ソファでは無くてヘルプ用の丸椅子に座ろうとした。でもマダムはにこりと笑いながら、私を自分の隣に手招き。仕方が無いので、青葉が座っている逆側の、マダムの隣に座った。
「――――そう、貴方がスイなのね」
座るやいなや、マダムは満面の笑みでそう言った。
不思議だった。だって、私はこの人に初めて会ったのに。まるでずっと前から私を知っているみたいな感じだ。