跪いて愛を誓え


「……本当なんだ」


 俯いてしまう二人。でもそれもつかの間だった。園子さんは顔を上げると、私に詰め寄る様に言った。


「じゃあ、頑張らなきゃ! 私、まだスイ君の借金も全部返済してないし、あんまりお金無いけど、今からお酒入れてくるね!」

「ありがとうございます。でも……無理はしないで下さいね」

「分かってるよ! でも、力になりたいの! だって、ティアーモが好きだから!」


 ――――ティアーモが好き。


 園子さんの言葉に、何だか涙が出そうになってしまった。

 だって、私もティアーモが好きだから。ティアーモのみんなが、大好きだから……


 園子さんと金髪さんは、お店が閉店しちゃうからと、急いでまたフロアへ戻って行った。私は去って行く二人の後姿に向かって、深々と頭を下げた。




 一部営業は大盛況で終了。結局、園子さんと金髪さんは二人でドンペリのゴールドを一本入れてくれた。

 片付けや掃除を済ませてまた、みんなでジャスティスの売り上げ報告を待っていた。だけど今回は中々連絡が来ない。前二日はヒロと店長の道明寺さんが交互に、一時間もしないうちにやって来たのに。

 じれじれとした時間だけが過ぎて行く。
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