跪いて愛を誓え

 払えるわけないじゃない!!

 カードの上限そんなに無いし! それに無職で貯金もほとんど無いよ! まさかこんな金額を友達に借りる訳にはいかないし。もし親に借りるとしても、ホストクラブで遊んだお金を立て替えて、なんて言えるわけがない!

 お母さんはいつもはふわふわしているが、お金の事には厳しい。お父さんの給料を握って的確に家庭を運営している。そんな人に話したら、親子の縁を切られかねない。

 体中から血の気が引いて、明細書を持つ手が震えた。

 どうしよう……

 グルグルした頭で必死に考えていると、一つだけ閃いた。ちょっとずるい方法かもしれないけど……


「……あの、お店を相続すればたぶん、払えるから……それまで待って貰えないかな」


 相続すれば自動的にティアーモのオーナーになる事が出来る。そうすれば、経営者としてお金が動かせるようになるだろうし、お店の経費として処理すれば……


「本当に馬鹿だな、お前」


 私の考えを見透かしたように、呆れた声で青葉は言った。


「どうせオーナーになって店の経費で何とかしよう、とか思ったんだろ?」


 青葉は超能力者か! 全部バレてる……!

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