跪いて愛を誓え
 靴を履き終えると、置いていた大きな鞄を持ちお母さんに振り向く。


「じゃあ、お母さん。行ってきます!」


 なるべく元気にそう言った。


 私はこれから家を出て、おばあちゃんがティアーモで使っていたマンションの部屋で一人暮らしを始める。

 玄関を出ると晴々とした空が広がっていたが、私の気持ちは不安という暗雲でいっぱいだった――――















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