跪いて愛を誓え
　ティアーモに戻った後は、湯田さんにもこってりお説教された。営業中に勝手にお店を抜けちゃったし、ホスト同士のトラブルを避ける為、他店へは入らないという暗黙のルールを私は知らなかったとはいえ、破ってしまったのだ。どうやらジャスティス側から苦情の連絡があったらしい。

　普段は温厚な湯田さんなのに、結構本気で怒られた。

　そしてやっぱり、反省を促すという事で今日はずっと掃除をしてなさいと言われ。私は残りの営業時間、掃除に専念した。




　その後は何事も無く一部の営業は終了。営業後の掃除も終わって店を出るとすぐ、声を掛けられた。それは――――


「――――スイ君！」


　園子さんと金髪さん。外に出て来た私を見ると、駆け寄ってきてくれた。二人の無事な姿を見て、ほっとした。

　どうやら二人はジャスティスを追い出された後、中に残された私を心配してもう一度中へ入ろうとしたらしい。だけど入れてはもらえず、手荒く追い払われ。

　近くのカフェで出てくるのを待ってくれていたそうだ。


「――――でね、ジャスティスの入り口をずっと見てたら、青葉が来て中に入って行ったの。それですぐにスイ君連れて出て来たから、ほっとしちゃった」


　少し興奮気味に、金髪さんは話をしてくれた。
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