バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
ドキッと心臓が高鳴り、私は思わず真顔になってしまった。
すぐ間近に見える端整な彫りの深い美貌が、窓から射し込む柔らかい光によって明るく彩られ、いつもより数倍魅力的だ。
「……ほ、ほーら。そういうところが女に慣れてる証明なんですよ」
ドキドキと忙しない鼓動を密かに宥めながら、私は努めて軽い口調で彼のお世辞を躱そうとした。
おそらくは、女性関連で百戦錬磨だろうイケメン御曹司のセリフに、いちいち真面目に反応しちゃいけないことくらい私だってわかってる。
それでも、良くも悪くも常に素直で真っ正直な彼の口からこんなこと言われてしまうと、うっかり本気にしてしまいそうだ。
「女に慣れてるって、お前、俺のことかなり誤解してるだろ」
副社長が軽く眉をひそめて異議を申し立ててきた。
「言っておくが俺は、大学時代に本気で惚れた女に一世一代の告白をして、その場であっさり振られたトラウマから抜け出せないでいる純な男だぞ?」
意外な話に、私は目を瞬かせて副社長の顔をまじまじと眺めてしまった。
振られた? この人が?
いや、それは嘘でしょう。だってこの人から本気の告白をされて断る女性がいるなんて、とても信じられないもの。
すぐ間近に見える端整な彫りの深い美貌が、窓から射し込む柔らかい光によって明るく彩られ、いつもより数倍魅力的だ。
「……ほ、ほーら。そういうところが女に慣れてる証明なんですよ」
ドキドキと忙しない鼓動を密かに宥めながら、私は努めて軽い口調で彼のお世辞を躱そうとした。
おそらくは、女性関連で百戦錬磨だろうイケメン御曹司のセリフに、いちいち真面目に反応しちゃいけないことくらい私だってわかってる。
それでも、良くも悪くも常に素直で真っ正直な彼の口からこんなこと言われてしまうと、うっかり本気にしてしまいそうだ。
「女に慣れてるって、お前、俺のことかなり誤解してるだろ」
副社長が軽く眉をひそめて異議を申し立ててきた。
「言っておくが俺は、大学時代に本気で惚れた女に一世一代の告白をして、その場であっさり振られたトラウマから抜け出せないでいる純な男だぞ?」
意外な話に、私は目を瞬かせて副社長の顔をまじまじと眺めてしまった。
振られた? この人が?
いや、それは嘘でしょう。だってこの人から本気の告白をされて断る女性がいるなんて、とても信じられないもの。