バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
不快な表情を見せる副社長に、この場の全員がうなづいて同意を示した。
絶対に妥協を許さない本物志向がポリシーのボヌシャンス迎賓館なのだから、たとえ写真一枚といえども、そこは譲れない。
でも、まさか別の仕事をしている真っ最中のモデルさんを、現場から掻っ攫ってくるわけにもいかないだろう。
後日改めての撮影になるんだろうか。でも超売れっ子カメラマンに依頼したはずだから、そちら側のスケジュールの都合もあるだろうし。
「おーい。言っとくが俺は明日から海外に行きっぱなしなんだ。スケジュールの変更なんざ無理だからな」
心に浮かんだ疑問に答えるようなセリフと共に、ミディアムヘア全体に緩めのパーマをかけた四十代くらいの男性が、颯爽とチャペルの正面入り口から登場した。
「村内先生。どうしましょうか」
フォトスタジオのスタッフさんが、その男性に声をかける。『先生』ということは、この人がその有名カメラマンさんなんだ。
黒いVネックのセーターに履き古しのジーンズというシンプルな出で立ちながら、全身から大物っぽいオーラが漂っているのは、さすがは国内外のフォトコンクールで数々の賞を手にしている実力者、というところか。
絶対に妥協を許さない本物志向がポリシーのボヌシャンス迎賓館なのだから、たとえ写真一枚といえども、そこは譲れない。
でも、まさか別の仕事をしている真っ最中のモデルさんを、現場から掻っ攫ってくるわけにもいかないだろう。
後日改めての撮影になるんだろうか。でも超売れっ子カメラマンに依頼したはずだから、そちら側のスケジュールの都合もあるだろうし。
「おーい。言っとくが俺は明日から海外に行きっぱなしなんだ。スケジュールの変更なんざ無理だからな」
心に浮かんだ疑問に答えるようなセリフと共に、ミディアムヘア全体に緩めのパーマをかけた四十代くらいの男性が、颯爽とチャペルの正面入り口から登場した。
「村内先生。どうしましょうか」
フォトスタジオのスタッフさんが、その男性に声をかける。『先生』ということは、この人がその有名カメラマンさんなんだ。
黒いVネックのセーターに履き古しのジーンズというシンプルな出で立ちながら、全身から大物っぽいオーラが漂っているのは、さすがは国内外のフォトコンクールで数々の賞を手にしている実力者、というところか。