バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「わかりました。こちらとしてもぜひ村内先生に撮影していただきたいので、私が新郎役を務めます。ただ、条件があります」
副社長の手が、隣に立つ私の肩にポンと置かれた。
「新婦役のモデルは先生が選ぶと仰っていましたが、それは彼女にやらせます」
え!? と心の中で驚きながら、私は隣に立つ副社長の顔を勢いよく見上げた。
私がモデルだなんて、なんの冗談かと思いきや、彼はひどく真剣な面持ちで村内先生に向かって訴えている。
「私の花嫁というなら、それは亜寿佳しかいない。ウェディングドレスを着て私の隣に立つ女性は、この世で彼女ひとりです。たとえ仕事の撮影だろうとそれだけは絶対に譲れません」
そう言い切った副社長の言葉を聞いた瞬間、どうしようもないほどの熱い喜びが私の全身を駆け抜けた。
ほんのひと月前の私なら、この言葉も周囲に向けての偽装アピールだと思って聞き流していただろう。
でも、いまの私は違う。
私への思いを臆することなく主張する彼の力強い視線が、肩に感じる頼もしい掌の感触が、こんなにも嬉しい。
私はやっぱり、彼の言葉の奥に込められた私への気持ちに期待して、その先を望んでいるんだ。
なら、もういい加減に素直になって認めるべきなのだろう。
私が彼に惹かれているという、紛れもない事実を……。
副社長の手が、隣に立つ私の肩にポンと置かれた。
「新婦役のモデルは先生が選ぶと仰っていましたが、それは彼女にやらせます」
え!? と心の中で驚きながら、私は隣に立つ副社長の顔を勢いよく見上げた。
私がモデルだなんて、なんの冗談かと思いきや、彼はひどく真剣な面持ちで村内先生に向かって訴えている。
「私の花嫁というなら、それは亜寿佳しかいない。ウェディングドレスを着て私の隣に立つ女性は、この世で彼女ひとりです。たとえ仕事の撮影だろうとそれだけは絶対に譲れません」
そう言い切った副社長の言葉を聞いた瞬間、どうしようもないほどの熱い喜びが私の全身を駆け抜けた。
ほんのひと月前の私なら、この言葉も周囲に向けての偽装アピールだと思って聞き流していただろう。
でも、いまの私は違う。
私への思いを臆することなく主張する彼の力強い視線が、肩に感じる頼もしい掌の感触が、こんなにも嬉しい。
私はやっぱり、彼の言葉の奥に込められた私への気持ちに期待して、その先を望んでいるんだ。
なら、もういい加減に素直になって認めるべきなのだろう。
私が彼に惹かれているという、紛れもない事実を……。