バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
でもとにかくいまはなにも考えず、撮影を済ませることに意識を向けよう。話は仕事を終えてからだ。
気持ちを引き締めながら急ぎ足でドレスルームに到着すると、すでに連絡が届いていたのか、入り口に待機していたドレスコーディネーターさんが私を見つけて駆け寄ってくる。
「なんだか大変なことになったわね。何着か候補を見繕っているから、とりあえず試着してみて」
会話もそこそこに自動ドアを通り抜けると、『ルーム』と呼ぶには広すぎる空間が目に飛び込んでくる。
真っ白な壁と、淡いピンクの絨毯。そして透明なガラス製の仕切り板で大きく区切られたラウンジの手前側に、純白のウェデイングドレスがすでに数点用意されていた。
そのどれもが超有名ブランドや、ボヌシャンスのオリジナルブランドが誇る最高級品ばかり。
それぞれのドレスが放つ圧倒的な存在感に、思わず気後れしてしまう。
「こ、これを私が着るんですか? 完全に衣装負けしちゃいますよ」
「大丈夫よ。私たちドレス部門スタッフはね、着る人を選別してしまう傲慢なドレスなんて一着も仕入れていないから」
そんなドレス愛と誇りに満ちたコーディネーターさんの言葉を聞いても、目の前のドレスたちがあまりにも素敵すぎて、どうしても気が引ける。
でもオロオロと彷徨っていた私の視線が、あるドレスを見た途端にピタリと釘付けになって、離れなくなってしまった。
……似てる。
気持ちを引き締めながら急ぎ足でドレスルームに到着すると、すでに連絡が届いていたのか、入り口に待機していたドレスコーディネーターさんが私を見つけて駆け寄ってくる。
「なんだか大変なことになったわね。何着か候補を見繕っているから、とりあえず試着してみて」
会話もそこそこに自動ドアを通り抜けると、『ルーム』と呼ぶには広すぎる空間が目に飛び込んでくる。
真っ白な壁と、淡いピンクの絨毯。そして透明なガラス製の仕切り板で大きく区切られたラウンジの手前側に、純白のウェデイングドレスがすでに数点用意されていた。
そのどれもが超有名ブランドや、ボヌシャンスのオリジナルブランドが誇る最高級品ばかり。
それぞれのドレスが放つ圧倒的な存在感に、思わず気後れしてしまう。
「こ、これを私が着るんですか? 完全に衣装負けしちゃいますよ」
「大丈夫よ。私たちドレス部門スタッフはね、着る人を選別してしまう傲慢なドレスなんて一着も仕入れていないから」
そんなドレス愛と誇りに満ちたコーディネーターさんの言葉を聞いても、目の前のドレスたちがあまりにも素敵すぎて、どうしても気が引ける。
でもオロオロと彷徨っていた私の視線が、あるドレスを見た途端にピタリと釘付けになって、離れなくなってしまった。
……似てる。