バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「倉本さん、とっても素敵よ!」
「本当ね! まるであなたのためのフルオーダー品みたいに似合ってるわ!」
鏡を見つめたままひと言もしゃべらない私を、緊張していると思ったのか、ヘアメイクさんとコーディネーターさんが口々に褒めて盛り上げようとしてくれる。
けれど、私はこの複雑な事情を秘めながらなんと答えればいいのかわからず、ただ曖昧に笑うしかない。
とにかくふたりにベールの裾を持ってもらって、重い足取りでチャペルへと向かった。
スタッフ通路からチャペルの中に私が踏み込んだ途端、スタッフさんたちから「おぉっ」と感嘆の声が上がる。
「こりゃお世辞抜きで見事だな! どっかの国のお姫さんみたいだよ。最高の花嫁さんだねえ」
被写体に対して目が肥えているだろう村内先生の手放しの賞賛に、ドレスコーディネーターさんとヘアメイクさんがうれしそうに微笑んだ。
「じゃあ、花婿さんが準備を整えて来るまでの間に、花嫁さん単体の写真を撮っちまおう」
村内先生の指示に従い、順調に撮影が進められていく。
「本当ね! まるであなたのためのフルオーダー品みたいに似合ってるわ!」
鏡を見つめたままひと言もしゃべらない私を、緊張していると思ったのか、ヘアメイクさんとコーディネーターさんが口々に褒めて盛り上げようとしてくれる。
けれど、私はこの複雑な事情を秘めながらなんと答えればいいのかわからず、ただ曖昧に笑うしかない。
とにかくふたりにベールの裾を持ってもらって、重い足取りでチャペルへと向かった。
スタッフ通路からチャペルの中に私が踏み込んだ途端、スタッフさんたちから「おぉっ」と感嘆の声が上がる。
「こりゃお世辞抜きで見事だな! どっかの国のお姫さんみたいだよ。最高の花嫁さんだねえ」
被写体に対して目が肥えているだろう村内先生の手放しの賞賛に、ドレスコーディネーターさんとヘアメイクさんがうれしそうに微笑んだ。
「じゃあ、花婿さんが準備を整えて来るまでの間に、花嫁さん単体の写真を撮っちまおう」
村内先生の指示に従い、順調に撮影が進められていく。