バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
実は貴明本人じゃなくてソックリさんなのかもとか、そんなバカげた発想まで浮かんでくる。
「亜寿佳。見知った仲とはいえ、突っ立っていないできちんとご挨拶をしろ。桜井様はボヌシャンス迎賓館のお客様だぞ」
「え?」
私は大きく見開いた目を、貴明から副社長へ向けた。
お客様って、どういうこと? いったいなにがどうなっているのか問い詰めたくても、現状に理解が追いつかず、言葉が出てこない。
両目に精いっぱいの力を込めて、状況説明を懇願する私に、副社長は淡々と言葉を続けた。
「桜井様と奥様は二年前に入籍はされているが、式はまだ挙げていらっしゃらないそうなんだ」
それは、知っている。
私をあんな目に遭わせておきながら、素知らぬ顔で結婚式を挙げるほど、恥知らずではなかったんだろう。
貴明のご両親も『亜寿佳さんに申し訳が立たない』と言って、あれから貴明とは絶縁状態になったと噂で聞いていた。
「亜寿佳。見知った仲とはいえ、突っ立っていないできちんとご挨拶をしろ。桜井様はボヌシャンス迎賓館のお客様だぞ」
「え?」
私は大きく見開いた目を、貴明から副社長へ向けた。
お客様って、どういうこと? いったいなにがどうなっているのか問い詰めたくても、現状に理解が追いつかず、言葉が出てこない。
両目に精いっぱいの力を込めて、状況説明を懇願する私に、副社長は淡々と言葉を続けた。
「桜井様と奥様は二年前に入籍はされているが、式はまだ挙げていらっしゃらないそうなんだ」
それは、知っている。
私をあんな目に遭わせておきながら、素知らぬ顔で結婚式を挙げるほど、恥知らずではなかったんだろう。
貴明のご両親も『亜寿佳さんに申し訳が立たない』と言って、あれから貴明とは絶縁状態になったと噂で聞いていた。