バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
私はヒールで床をガツガツ打ち鳴らしながら廊下を進み、一気に副社長を追い越して、そのまま副社長室に飛び込んだ。
そして真っ直ぐ書棚に突進して、中から必要書類を取り出し、貴明と向かい合う席に腰掛けて、勢いよくお辞儀をする。
「いらっしゃいませ。ボヌシャンス迎賓館へようこそ。桜井様を担当させていただく倉本亜寿佳です」
いきなり自己紹介を始めた私に、貴明は呆気にとられて目を丸くしているけれど、私はお構いなしに話を進めた。
「こちらのプランニングシートにご記入ください。これは桜井様のご希望の挙式を叶えるための、大切な資料となります」
マニュアル通りのセリフを機械的にしゃべりながら、私はバインダーに挟まれたシートを、つっけんどんに差し出した。
それを反射的に受け取った貴明は、どうしたものかと困惑した顔で、私とシートを交互に眺めている。
でも私はもう、貴明なんて見ていなかった。
私の目は、入り口に立って腕を組みながら私を見ている男の視線を、真っ向から見返している。
そして真っ直ぐ書棚に突進して、中から必要書類を取り出し、貴明と向かい合う席に腰掛けて、勢いよくお辞儀をする。
「いらっしゃいませ。ボヌシャンス迎賓館へようこそ。桜井様を担当させていただく倉本亜寿佳です」
いきなり自己紹介を始めた私に、貴明は呆気にとられて目を丸くしているけれど、私はお構いなしに話を進めた。
「こちらのプランニングシートにご記入ください。これは桜井様のご希望の挙式を叶えるための、大切な資料となります」
マニュアル通りのセリフを機械的にしゃべりながら、私はバインダーに挟まれたシートを、つっけんどんに差し出した。
それを反射的に受け取った貴明は、どうしたものかと困惑した顔で、私とシートを交互に眺めている。
でも私はもう、貴明なんて見ていなかった。
私の目は、入り口に立って腕を組みながら私を見ている男の視線を、真っ向から見返している。