バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「亜寿佳、本当にいいのか?」
ボールペンを手に持ったまま、貴明が恐る恐る声をかけてくる。
見れば机の上のプランニングシートには、まだひとつの項目も記入されていない。
なにやってるのよ。クズグズしないで早く書いてよ……と言いかけた言葉を、寸でのところで飲みこんだ。
「もちろんです。未熟者ではございますが、私が精いっぱい努めさせていただきます」
不自然な作り笑いを浮かべて、わざとらしいほど丁寧な言葉遣いをする私に、貴明は余計に不安そうな顔をした。
「でも……」
「いいからさっさと記入して。……ください」
凄みの利いた声に一刀両断された貴明が、慌ててシートに目を通し始めた様子を半目で見守りながら、私は心の中で呟く。
本当に心配なんかいらないわよ。私は本気で、あなたたちの結婚式を成功させたいと思っているんだから。
これはね、私と副社長とのガチ勝負なの。あんたは私に対して負い目があるんだから、立派に役に立ってもらうからね。
ボールペンを手に持ったまま、貴明が恐る恐る声をかけてくる。
見れば机の上のプランニングシートには、まだひとつの項目も記入されていない。
なにやってるのよ。クズグズしないで早く書いてよ……と言いかけた言葉を、寸でのところで飲みこんだ。
「もちろんです。未熟者ではございますが、私が精いっぱい努めさせていただきます」
不自然な作り笑いを浮かべて、わざとらしいほど丁寧な言葉遣いをする私に、貴明は余計に不安そうな顔をした。
「でも……」
「いいからさっさと記入して。……ください」
凄みの利いた声に一刀両断された貴明が、慌ててシートに目を通し始めた様子を半目で見守りながら、私は心の中で呟く。
本当に心配なんかいらないわよ。私は本気で、あなたたちの結婚式を成功させたいと思っているんだから。
これはね、私と副社長とのガチ勝負なの。あんたは私に対して負い目があるんだから、立派に役に立ってもらうからね。