バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
泉ちゃんが両手を上げて、文字通り『お手上げ』の意思表示をした。
私も、背中を丸めて大きなため息をつくしかない。
もう八方手詰まりだ。どうすればいいのか、ぜんぜんわからない。……私、本当にちゃんと、このお式を無事に成功させられるのかな?
「なんだ? ギブアップするのか? 降参するなら早めにそう入ってくれ」
背後から唐突に聞こえてきた声に、丸まっていた私の背筋がシャンと伸びる。
勢いよく振り向いた視線の先には、予想通りの男の顔があった。
「あ! ふ、副社長!」
いきなり現れた副社長に驚いた泉ちゃんが、頬を染めて興奮した声を張り上げる。
いつから私たちの話を立ち聞きしていたものやら、相変わらず一流のスーツを上品に着こなした王子様が、余裕の微笑みを湛えながら私に言った。
「お前が『もう、やーめた』って仕事を放り出しても、なんの心配もないぞ。この仕事は俺が引き継いで、立派に成功させるからな」
そんな嫌味なセリフを、人より綺麗な顔立ちをしている人間に笑いながらサラッと言われると、余計にムカつくんですけど!
私も、背中を丸めて大きなため息をつくしかない。
もう八方手詰まりだ。どうすればいいのか、ぜんぜんわからない。……私、本当にちゃんと、このお式を無事に成功させられるのかな?
「なんだ? ギブアップするのか? 降参するなら早めにそう入ってくれ」
背後から唐突に聞こえてきた声に、丸まっていた私の背筋がシャンと伸びる。
勢いよく振り向いた視線の先には、予想通りの男の顔があった。
「あ! ふ、副社長!」
いきなり現れた副社長に驚いた泉ちゃんが、頬を染めて興奮した声を張り上げる。
いつから私たちの話を立ち聞きしていたものやら、相変わらず一流のスーツを上品に着こなした王子様が、余裕の微笑みを湛えながら私に言った。
「お前が『もう、やーめた』って仕事を放り出しても、なんの心配もないぞ。この仕事は俺が引き継いで、立派に成功させるからな」
そんな嫌味なセリフを、人より綺麗な顔立ちをしている人間に笑いながらサラッと言われると、余計にムカつくんですけど!