バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
一緒に仕事をして信頼を置いていたときの彼と、私に対して酷い仕打ちをしたときの彼と、今の彼の姿が頭の中で重なって、混乱してしまう。
……だって、今さら彼にいい人になられたら困ってしまう。
「おふたりとも、まだケンカしてるんですか?」
持ち前の素直な性格を遺憾なく発揮した泉ちゃんが、あっけらかんと聞いてきた。
「あー。う、うん。まぁ」
私は口の中でモゴモゴと、はっきりしない返事をしてお茶を濁す。
あれ以来、副社長の車で送迎されることもなくなり、ランチを一緒にすることもなくなって、私たちの仲がうまくいっていないことが社内で周知の事実になってしまった。
「なにが原因なのかは知らないですけど、早く仲直りしてください。副社長は、ずっと倉本さんのことを心配してるんですから」
「え?」
私はキョトンとして泉ちゃんを見た。副社長が私のことを心配しているって、どういうこと?
「知らないんですか? 副社長は各部門に自分から何度も出向いて、倉本さんの仕事の進行状態を尋ねてるんですよ?」
思いがけない言葉に、目が点になる。
彼が私を気にかけて様子を尋ねていたなんて、ぜんぜん知らなかった。
……だって、今さら彼にいい人になられたら困ってしまう。
「おふたりとも、まだケンカしてるんですか?」
持ち前の素直な性格を遺憾なく発揮した泉ちゃんが、あっけらかんと聞いてきた。
「あー。う、うん。まぁ」
私は口の中でモゴモゴと、はっきりしない返事をしてお茶を濁す。
あれ以来、副社長の車で送迎されることもなくなり、ランチを一緒にすることもなくなって、私たちの仲がうまくいっていないことが社内で周知の事実になってしまった。
「なにが原因なのかは知らないですけど、早く仲直りしてください。副社長は、ずっと倉本さんのことを心配してるんですから」
「え?」
私はキョトンとして泉ちゃんを見た。副社長が私のことを心配しているって、どういうこと?
「知らないんですか? 副社長は各部門に自分から何度も出向いて、倉本さんの仕事の進行状態を尋ねてるんですよ?」
思いがけない言葉に、目が点になる。
彼が私を気にかけて様子を尋ねていたなんて、ぜんぜん知らなかった。