バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「それ、単に私の仕事がうまくいってない様子を聞いて、楽しんでただけじゃない?」
「そのために、わざわざ自分からあちこちに出向いてですかぁ?」
そんなバカなと言いたげな泉ちゃんの声と表情に、私は黙り込んでしまった。
たしかに、いくらなんでもそれでは物好きの度が過ぎる。
もしかしてここで鉢合わせしたのも、私と仲のいい泉ちゃんに、私の様子を聞くつもりだったのかな?
もともと真っ直ぐな性格の人だし、今になって私への仕打ちを後悔して、どうにかして歩み寄ろうとしている……とか?
そんな考えが頭をよぎると同時に、自分の心の固くなった部分が、少しだけほぐれるような感じがした。
それと同時に、ついこの間まで毎日のように私に向けられていた副社長の微笑みが脳裏に浮かんで、胸がキュッと鳴る。
そんな自分の心境の変化に、自分で慌ててしまった。
……い、いや、待て待て。なにを浮き立っているんだ私は。
まさか、心の底ではまだ副社長を信じたいと思っているの? 彼に未練があるわけ?
彼は自分の評判が下がるのを恐れて、良い人を演じているだけなのかもしれないじゃないか。
それに本当に困っているのは私じゃなくて貴明なんだから、大切なお客様のためにアドバイスのひとつくらいしてくれたって……。
「そのために、わざわざ自分からあちこちに出向いてですかぁ?」
そんなバカなと言いたげな泉ちゃんの声と表情に、私は黙り込んでしまった。
たしかに、いくらなんでもそれでは物好きの度が過ぎる。
もしかしてここで鉢合わせしたのも、私と仲のいい泉ちゃんに、私の様子を聞くつもりだったのかな?
もともと真っ直ぐな性格の人だし、今になって私への仕打ちを後悔して、どうにかして歩み寄ろうとしている……とか?
そんな考えが頭をよぎると同時に、自分の心の固くなった部分が、少しだけほぐれるような感じがした。
それと同時に、ついこの間まで毎日のように私に向けられていた副社長の微笑みが脳裏に浮かんで、胸がキュッと鳴る。
そんな自分の心境の変化に、自分で慌ててしまった。
……い、いや、待て待て。なにを浮き立っているんだ私は。
まさか、心の底ではまだ副社長を信じたいと思っているの? 彼に未練があるわけ?
彼は自分の評判が下がるのを恐れて、良い人を演じているだけなのかもしれないじゃないか。
それに本当に困っているのは私じゃなくて貴明なんだから、大切なお客様のためにアドバイスのひとつくらいしてくれたって……。