バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
雅美さんも曖昧な笑顔を見せながら、ふわりと私から視線を逸らす。そんな彼女を見ながら、ふと感じた。
もしかしたら私に会う勇気が出なくて、ここに来る踏ん切りがつかなかったのかもしれない。
言うなれば“勝者”の立場である彼女も、あの二年前の出来事にこだわりがあるんだろうか?
そんなことを思いふけりながらラウンジに着いた私は、彼女を席にご案内して、向かいに座った。
ここのインテリア類は他に比べるとカジュアル感が強く、肩の凝らない雰囲気になっているけれど、それでも私の両肩は無意識に強張っている。
深すぎるほど深い因縁を抱えた相手とこうして真正面で向き合えば、それも仕方ないだろうけど。
「それでは、奥様のプランニングシートを作成させていただきます」
自分の中の複雑な感情を見ないふりしながら、私はバインダーを用意した。
これはご本人に直接記入してもらう物だけど、雅美さんは赤ちゃんを膝に抱いているので、私が代筆した方が早いだろう。
「まずは簡単な質問からお聞きします。奥様の生年月日は?」
そう言って視線を向けた私の目と、興味津々に私を見ている赤ちゃんの目がバチッと合ってしまった。
もしかしたら私に会う勇気が出なくて、ここに来る踏ん切りがつかなかったのかもしれない。
言うなれば“勝者”の立場である彼女も、あの二年前の出来事にこだわりがあるんだろうか?
そんなことを思いふけりながらラウンジに着いた私は、彼女を席にご案内して、向かいに座った。
ここのインテリア類は他に比べるとカジュアル感が強く、肩の凝らない雰囲気になっているけれど、それでも私の両肩は無意識に強張っている。
深すぎるほど深い因縁を抱えた相手とこうして真正面で向き合えば、それも仕方ないだろうけど。
「それでは、奥様のプランニングシートを作成させていただきます」
自分の中の複雑な感情を見ないふりしながら、私はバインダーを用意した。
これはご本人に直接記入してもらう物だけど、雅美さんは赤ちゃんを膝に抱いているので、私が代筆した方が早いだろう。
「まずは簡単な質問からお聞きします。奥様の生年月日は?」
そう言って視線を向けた私の目と、興味津々に私を見ている赤ちゃんの目がバチッと合ってしまった。