バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「俺、雅美と付き合っているうちにどんどん本気で惹かれていく自分の気持ちが怖くて、雅美と別れて亜寿佳と婚約したんです」
私は思わず壁際から顔を覗かせて、ふたりの様子を窺った。
貴明は軽く目を伏せて、自分の気持ちを副社長に吐露している。
私が知らないうちに、どうやらふたりの間には信頼関係が結ばれているようだ。
「このままだと亜寿佳を裏切ることになってしまうと思って。でも結局、酷く傷つけてしまったけれど」
そう言ってうつむく貴明の表情が暗いのは、たぶんライトの加減のせいだけではないだろう。
そのまま口を噤んでしまった貴明に、副社長が静かに問いかけた。
「桜井様は、奥様と結婚なさったことを後悔しているんですか?」
副社長の言葉に貴明は少し驚いた様子で、伏せていた顔をサッと上げた。
「奥様と結婚せずに、亜寿佳と結婚していた方がよかったと思いますか?」
「…………」
貴明は軽く目を見開いて、目の前の男の顔を食い入るように見ている。
私は思わず壁際から顔を覗かせて、ふたりの様子を窺った。
貴明は軽く目を伏せて、自分の気持ちを副社長に吐露している。
私が知らないうちに、どうやらふたりの間には信頼関係が結ばれているようだ。
「このままだと亜寿佳を裏切ることになってしまうと思って。でも結局、酷く傷つけてしまったけれど」
そう言ってうつむく貴明の表情が暗いのは、たぶんライトの加減のせいだけではないだろう。
そのまま口を噤んでしまった貴明に、副社長が静かに問いかけた。
「桜井様は、奥様と結婚なさったことを後悔しているんですか?」
副社長の言葉に貴明は少し驚いた様子で、伏せていた顔をサッと上げた。
「奥様と結婚せずに、亜寿佳と結婚していた方がよかったと思いますか?」
「…………」
貴明は軽く目を見開いて、目の前の男の顔を食い入るように見ている。