バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「ただ、やっぱり亜寿佳には申し訳ないと思っています。俺が彼女を傷つけた罪は、一生背負っていくつもりです」
沈んだ声のトーンに、私はまたソロソロと壁際から顔を覗かせた。
貴明は思い詰めた目をして、瞬きもせずにじっと床を見ている。
優しくて真面目な性格だから、私の人生を滅茶苦茶にしてしまったと、本気で深刻に受け止めているんだろう。
そんなに自分を責めることはないって私が言ってあげないと、彼はどんどん自分を追い詰める。
でも、困ったな。どう言えばうまく伝わるだろう。
そんなことを当人から言われれば言われるほど、余計に恐縮してしまうのが貴明だから。
「婚約破棄は桜井様の責任ではありませんよ。しいて言うなら、それは私の責任です」
「「え?」」
副社長が予想外のことを言い出して、貴明のキョトンとした声と私の声がシンクロした。
私は慌てて自分の口を手で押さえて、パッと壁の陰に隠れる。
私と貴明の婚約破棄が副社長の責任って、どういうこと? まったく意味がわからない。
そんな私の疑問を代弁するような、貴明の戸惑う声が聞こえる。
「あの、それはどういう意味ですか?」
沈んだ声のトーンに、私はまたソロソロと壁際から顔を覗かせた。
貴明は思い詰めた目をして、瞬きもせずにじっと床を見ている。
優しくて真面目な性格だから、私の人生を滅茶苦茶にしてしまったと、本気で深刻に受け止めているんだろう。
そんなに自分を責めることはないって私が言ってあげないと、彼はどんどん自分を追い詰める。
でも、困ったな。どう言えばうまく伝わるだろう。
そんなことを当人から言われれば言われるほど、余計に恐縮してしまうのが貴明だから。
「婚約破棄は桜井様の責任ではありませんよ。しいて言うなら、それは私の責任です」
「「え?」」
副社長が予想外のことを言い出して、貴明のキョトンとした声と私の声がシンクロした。
私は慌てて自分の口を手で押さえて、パッと壁の陰に隠れる。
私と貴明の婚約破棄が副社長の責任って、どういうこと? まったく意味がわからない。
そんな私の疑問を代弁するような、貴明の戸惑う声が聞こえる。
「あの、それはどういう意味ですか?」