バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
私は勢いをつけて立ち上がり、涙にまみれた顔を手でゴシゴシと拭いた。
メイク、崩れちゃったかな? でもいいや。そんなの構わない。
盛大に鼻を啜り、大きく深呼吸して副社長室の前に立った私は、決意も新たに扉をノックする。
「倉本です」
「ああ、入れ」
扉を開けて中に入り、一礼して顔を上げた私を、応接セットに向かい合って腰掛けた副社長と貴明が見ている。
私の心境の変化をなんとなく感じ取ったのか、ふたりは少し怪訝そうな顔をしていた。
私は、なんだかくすぐったいような気持ちを抱えながら応接セットまで進み、副社長の隣に腰掛けて、さっそく話を切り出した。
「予算内で式を挙げる方法を見つけました」
向かいの貴明が目を丸くして、隣の副社長が軽く目を見張る。その反応をちょっと楽しみながら、話を続けた。
「実習挙式です」
メイク、崩れちゃったかな? でもいいや。そんなの構わない。
盛大に鼻を啜り、大きく深呼吸して副社長室の前に立った私は、決意も新たに扉をノックする。
「倉本です」
「ああ、入れ」
扉を開けて中に入り、一礼して顔を上げた私を、応接セットに向かい合って腰掛けた副社長と貴明が見ている。
私の心境の変化をなんとなく感じ取ったのか、ふたりは少し怪訝そうな顔をしていた。
私は、なんだかくすぐったいような気持ちを抱えながら応接セットまで進み、副社長の隣に腰掛けて、さっそく話を切り出した。
「予算内で式を挙げる方法を見つけました」
向かいの貴明が目を丸くして、隣の副社長が軽く目を見張る。その反応をちょっと楽しみながら、話を続けた。
「実習挙式です」