バージンロードで始めましょう～次期社長と恋人契約～

　私の目を真っ直ぐに見つめながら、彼が真剣な声で囁く。

「亜寿佳。これからこの道を俺と共に歩んでくれるか？」

　この手を包み込む大きくて温かな感触を感じる私の目に、涙が溢れる。

　私から言うべき言葉なのに、先を越されてしまった。

　この人はいつもこうして、私の手を取り導いてくれる。

　心の底から溢れ出てくる嬉し涙を流しながら、今度こそ私は、彼から目を逸らさずに自分の本当の想いを告げることができた。

「私こそお願いします。どうかこの道を私と共に歩んでください」