バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
―― パチパチパチ……
感極まって涙声になっている社長に同調したのか、サロン内の誰かが小さな拍手をした。
それに釣られたように、また数人分の拍手が重なる。
拍手というのはあくびと同じで、連鎖反応するものだ。あっという間にサロン内に、盛大な祝福の拍手の渦が巻き起こってしまった。
こ、この渦の中心で祝福されてるのって、間違いなく私よね? 間違いであってほしいけど。
「キミ」
当人たちの思惑をよそに、勝手に盛り上がっている場の空気を冷静に眺めていた副社長が、拍手の音に紛れるような小声で私にコッソリ耳打ちする。
「悪いが、後で副社長室に来てくれ。大事な話がある」
「はい……」
上機嫌でサロン内の皆さんに頭を下げている社長を眺めながら、私はヒクつく唇でそう答えた。
社長の登場で、事態が面倒くさい方向に拗れてしまう心配をしていたけれど、私の予想を遥かに上回るほど面倒くさい事態になってしまった気がする。
あぁ、私、これからどうなっちゃうんだろう……。
感極まって涙声になっている社長に同調したのか、サロン内の誰かが小さな拍手をした。
それに釣られたように、また数人分の拍手が重なる。
拍手というのはあくびと同じで、連鎖反応するものだ。あっという間にサロン内に、盛大な祝福の拍手の渦が巻き起こってしまった。
こ、この渦の中心で祝福されてるのって、間違いなく私よね? 間違いであってほしいけど。
「キミ」
当人たちの思惑をよそに、勝手に盛り上がっている場の空気を冷静に眺めていた副社長が、拍手の音に紛れるような小声で私にコッソリ耳打ちする。
「悪いが、後で副社長室に来てくれ。大事な話がある」
「はい……」
上機嫌でサロン内の皆さんに頭を下げている社長を眺めながら、私はヒクつく唇でそう答えた。
社長の登場で、事態が面倒くさい方向に拗れてしまう心配をしていたけれど、私の予想を遥かに上回るほど面倒くさい事態になってしまった気がする。
あぁ、私、これからどうなっちゃうんだろう……。