バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「そう長い期間じゃない。しばらくしたら別れたことにする。それにボランティアをしろとも言わない。迷惑をかけるんだから、もちろん相応の報酬は払うつもりだ」
どう断ろうかと思案している私の気持ちを見透かすように、副社長は余裕の表情でそんな交渉を持ち出してきた。
「報酬? お金ですか?」
「そちら次第だ。金銭でも物品でも、叶えて欲しい希望でも、なんでもいい」
「べつになにも……」
と言いかけた私の脳裏に、ある考えが啓示のようにパッと閃いた。
叶えてほしい希望ならあるじゃないの。もしかしてこれは千載一遇のチャンスなんじゃない?
「じゃあ、私を正規のブライダルコーディネーターに昇格させてくれませんか?」
恐る恐る、そう切り出してみた。
かねてからの私の願いは、一日も早く立派なブライダルコーディネーターになって、自分の手で幸せなご夫婦を世に送り出すこと。
でもここの社内規則に従っていたら、その道のりはまだ遠い。
だけど、そちらが反則技を使って自分の希望を叶えると言うのなら、私だってイレギュラーな対応を希望してもよくない?
聞き入れられるかどうか、物は試しだ。
どう断ろうかと思案している私の気持ちを見透かすように、副社長は余裕の表情でそんな交渉を持ち出してきた。
「報酬? お金ですか?」
「そちら次第だ。金銭でも物品でも、叶えて欲しい希望でも、なんでもいい」
「べつになにも……」
と言いかけた私の脳裏に、ある考えが啓示のようにパッと閃いた。
叶えてほしい希望ならあるじゃないの。もしかしてこれは千載一遇のチャンスなんじゃない?
「じゃあ、私を正規のブライダルコーディネーターに昇格させてくれませんか?」
恐る恐る、そう切り出してみた。
かねてからの私の願いは、一日も早く立派なブライダルコーディネーターになって、自分の手で幸せなご夫婦を世に送り出すこと。
でもここの社内規則に従っていたら、その道のりはまだ遠い。
だけど、そちらが反則技を使って自分の希望を叶えると言うのなら、私だってイレギュラーな対応を希望してもよくない?
聞き入れられるかどうか、物は試しだ。