バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
「キミは入社して半年だろう? 俺に社内規則を捻じ曲げろと言うのか?」

 案の定、副社長は渋い顔をしたけれど、ここは私も簡単には引き下がれない。

「無理ならせめて、今よりもっと挙式や披露宴に関わる仕事がしたいんです。お願いできませんか!?」

 ソファーから腰を浮かせ、なりふり構わず頼み込む私の必死な顔を見ていた副社長の目が、ふと微笑んだ。

「やっぱり、キミは俺が見込んだ通りの人材だったな」

「え? なんですか?」

「なんでもない。いきなり明日からひとり立ちをさせるのはさすがに無理だが、俺専属のサポートという形ならいいぞ?」

 息をのんだ私の胸に、パッと喜びの花が咲く。じゃあ、聞き入れてもらえるの?

「一ヵ月後にハウスウェディングの予約が入っているんだ。手始めに、俺と一緒にやってみるか?」
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