バージンロードで始めましょう~次期社長と恋人契約~
急いでドアから飛び出すと、廊下の先にいる副社長が、こっちを見ながらニヤリと笑ってどんどん遠ざかって行くのが見える。
私がドアを施錠しているうちに、ますますその距離は遠のいた。
「ちょ、ちょっと待って下さいったら!」
「待たない。お前、トロいな」
私をからかいながら、彼は前を向いてどんどん歩いて行ってしまう。
大急ぎで追いついて彼と肩を並べてからも、なんとなくお互いを横目で牽制しつつ、どっちも歩行速度を緩めないどころかますますスピードアップしていく。
そのうち、まるで日体大の行進パフォーマンスみたいな歩行状態になっちゃって、私と副社長は同時に笑い出してしまった。
「お前それ、ほとんど走ってるだろ。反則だ」
「副社長こそ反則ですよ。そっちの方がずっと足が長いんですから」
「そもそも、なんでこんなムキになって競争してるんだよ俺たちは」
「こっちが聞きたいですって!」
笑い声を上げながら、駐車場へ向かう従業員専用通路を同じ速度で一緒に歩いて行く。
副社長って、こんな子どもっぽい部分もある人なんだなぁ。本当にいろんな意味で、素直で真っ直ぐな人。
一ヵ月前にはぎこちない作り笑いで隣を歩いていた私たちが、今はこうして本当に笑いながら一緒に歩いている。
それはとても素敵なことのように思えて、ちょっと照れくさくて、すごく嬉しかった。
私がドアを施錠しているうちに、ますますその距離は遠のいた。
「ちょ、ちょっと待って下さいったら!」
「待たない。お前、トロいな」
私をからかいながら、彼は前を向いてどんどん歩いて行ってしまう。
大急ぎで追いついて彼と肩を並べてからも、なんとなくお互いを横目で牽制しつつ、どっちも歩行速度を緩めないどころかますますスピードアップしていく。
そのうち、まるで日体大の行進パフォーマンスみたいな歩行状態になっちゃって、私と副社長は同時に笑い出してしまった。
「お前それ、ほとんど走ってるだろ。反則だ」
「副社長こそ反則ですよ。そっちの方がずっと足が長いんですから」
「そもそも、なんでこんなムキになって競争してるんだよ俺たちは」
「こっちが聞きたいですって!」
笑い声を上げながら、駐車場へ向かう従業員専用通路を同じ速度で一緒に歩いて行く。
副社長って、こんな子どもっぽい部分もある人なんだなぁ。本当にいろんな意味で、素直で真っ直ぐな人。
一ヵ月前にはぎこちない作り笑いで隣を歩いていた私たちが、今はこうして本当に笑いながら一緒に歩いている。
それはとても素敵なことのように思えて、ちょっと照れくさくて、すごく嬉しかった。