目は口ほどにものをいう
ことの起こりは2週間前にさかのぼる。


「ゆかり、あんたにいい話があるのよ。」
「えー、怪しいなぁ。なに?」
夕食の席で、話をする。
今日の夕食は肉じゃが。ん〜美味しい。

「お母さんねぇ、親同士の婚活パーティーに行ってきたの。」

えっ?!

「そこでね、あんたにいい人を見つけたのよ。
向こうの親御さんもあんたのこと気に入ってくれてね。
来週の日曜日に会うことになってるから。」

いやいやいや。
怒りが込み上げる。

「なんで、そんな勝手なことするの?!」
「だって、あんた、この年になっても、彼氏の1人もいないじゃない。」
確かに、彼氏はいないけれども。
「だからって、勝手に決めないで!!」
「まぁまぁ、ダメなら断っていいから。お母さんの顔をたてると思って、会うだけ。ね?」
「会うだけなら………」


『会うだけ。』

どうせ断るし。
というか、私のような地味で取り柄もない女、向こうから願い下げだろうし。

そう考えて、相手のことなんか、ちゃんと聞いてもなかった。

彼だと知っていたら、お見合いなんて断固拒否した。
確認してなかった自分を恨む。
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