目は口ほどにものをいう

まほさんに、あの日見たことをかいつまんで説明する。

「相手はどんな人だったの?」
え?なんで?
「背が高めで、きれいな人。確か名前は咲さんって……」
私の話を聞いたまほさんはため息をつく。
「司は浮気をしていない。それは断言してあげる。」
それは……
「まほさんは咲さんを知ってるんですか?」
まほさんは笑って答えなかった。
おそらく、無言の'肯定'。詳しくは聞くなということだろう。
「付き合ってたら不安になることもすれ違うこともあるわ。ずっと一緒にいたいなら、まわりに聞かないでちゃんと司と話してみるべきよ。頑張って。」

そういえば、前もまほさんに励まされたことを思い出す。
「まほさん。いつもありがとうございます。課長と話してみます。」
「よし、やっといい顔になった!!飲もっ飲もっ。」
そう言って、まほさんは私にビールのグラスを渡してくる。
久しぶりにはめを外してたくさん飲んだ。
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