目は口ほどにものをいう
司side

今日はゆかりがご飯を作って待っている。
そう思うだけで心が浮き立つ。数日前からゆかりの様子がおかしかった。聞いてもはぐらかされるので、理由はわからないままだ。

急いで仕事を終わらせ家に向かう。
「ただいま〜」
「お帰りなさい。」
ゆかりが出迎えてくれる。
「やっぱりいいな。ゆかりが待ってくれているのは。」
結婚したらこんな感じなんだろうか。愛しいゆかりを抱き締めた。

夕食は俺の好きなハンバーグだった。
「実家暮らしで料理なんてほとんどしないから、期待しないで。」
付き合い始めた頃そんなことを言っていたけれど、彼女の料理は美味しい。ただでさえ、好きな人の手料理なんてどんな有名シェフの料理よりも美味しく感じるものなのに。
美味しい夕食に頬が緩む。ゆかりとゆっくり過ごせる幸せな時間だ。
< 50 / 71 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop