目は口ほどにものをいう
夕食のあと、ゆかりがコーヒーを入れてくれる。
ケーキでも買ってきたらよかったな。
そんなことを考えていたら、ゆかりが真剣な表情で話しかけてきた。
「課長。聞きたいことがあります。」
ん?なんだ?
「なに?」
「この間の………」
ピーンポーン。チャイムが鳴る。
誰だよこんな時間に。
ピンポーン。ガチャ。2回目のチャイムと共にドアが開く。
あいつ!!!
追い返そうと玄関へ向かう。
「咲。なにしに来た。」
「彼女さん来てるんでしょ?合わせてよ。」
「やだよ。お前がいたら面倒なんだ。」
「なんでよ。いいじゃん。」
イライラしながら咲といい争っていると、ゆかりが現れた。
「課長、私帰りますし、上がってもらったらいかがですか?」
なんで、ゆかりが帰るんだよ。帰るのは咲だろ。
当の咲はゆかりをみたとたん、目を輝かせた。
「あなたが'ゆかりさん'ですか?私、司の妹の咲です。兄がお世話になってます。」
咲勢いに、ゆかりが困ってる。
「司が、でれでれの彼女ってどんな人なのかずっと気になってたんですよ。会わせてって頼んでも全然会わせてくれなくて。」
だから、嫌だったんだ。
咲をゆかりに会わせたら、俺たちのことを根掘りはほり聞いた上、あることないこと俺の過去を話すに違いない。
頭がイタイ……
気付けば、3人でテーブルを囲んでいた。